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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2018年2月22日木曜日

ビブリオパドルに行きました!




 ビブリオパドルに行きました。東京都国分寺市の絵本・児童書専門店の「おばあさんの知恵袋」で絵本好きがそれぞれのお気に入りを紹介しあいます。
 今回は21日の開催。テーマは「ねこ・猫、スイーツ」。参加者は7人でした。
 私は「こねこのジェーン ダンスだいすき!」(きじとら出版)を紹介しました。子ねこのジェーンが主人公です。ジェーンはバレリーナになることを夢見ています。バレエスクールに入ったジェーンはバレエの練習に夢中になるあまり友だちと仲違い。でも、すぐに仲直りして一緒にダンスパーティを楽しみます。自分の気持ちを正直に表現するジェーンが素敵です。
 そのほか今回取り上げられた絵本は、「ねこじたなのにお茶がすき」(淡交社)、「てつがくのライオン」(復刊ドットコム)、「くろねころびんちゃん ごろごろ」(キーステージ21)、「和菓子のほん」(福音館書店)、「ゆめねこ」(金の星社)、「サイモンは、ねこである」(あすなろ書房)、「ねこガム(こどものとも年少版2005年1月号)」(福音館書店、品切)、「ねえ どっちがすき?(こどものとも年少版1998年9月号)」(福音館書店、品切。この作品は書籍化されて入手可能)などでした。今回も個性的な絵本がそろいました。(店主)

2018年2月21日水曜日

「母の友」2018年3月号が入荷済みです!




 「母の友」2018年3月号の特集のテーマは「今、保育を考える」です。ブレディみかこさんがとても刺激的で興味深い記事を寄稿されています。ブレディさんはイギリス在住のライター・コラムニストで、イギリスで保育士の資格を取り、実際に働いていた経験もあります。保育士の立場から社会や政治の問題を捉えた著書があり、今号では「保育士がなぜ政治を語るのか」というタイトルで原稿を執筆されました。
 ブレディさんが政治について書こうと思ったきっかけは、保育士資格取得コースで毎学期の終わりに書かされたミニ論文だったそうです。ミニ論文では保育士の日々の仕事と、それを行う理由としての法的フレームワークや学術的根拠をセットにして論じることが求められました。その際、法的フレームワークとなる法律集の該当箇所を示すだけでは合格点に達せず、その法律が基づくEUまたは国連の法律や条約、さらにその法律制定時の時代背景や社会問題まで言及する必要があったそうです。
 ブレディさんはそこまで求められることにとても驚かされましたが、ミニ論文をこなしているうちに、保育現場の事柄から、その背景がみえるようになってくることに気づきます。泣いている子どもの背後に同じような状況に置かれて泣いている子どもたちがいて、その後ろに唇を噛んでいる親たちの姿が見える。親たちの背景には政治があり、彼らを苦しめている根源として制度上の欠陥や法の不条理、そしてそれを放置する政治があると考えるようになったそうです。社会福祉士で社会運動家でもある藤田孝典さんは、これを「ミクロとマクロの連動性」と呼んでいるそうです。
 ブレディさんは、日本では「ミクロとマクロの連動性」を持った人を養成する気運がないことに危機感を示します。「本来ならばミクロな現場で問題を皮膚で知っている人々が、制度の欠陥や法の不完全性について考える回路を持たなくなる」といい、「これは国を運営している側にとってはやり易い」と指摘する一方で、「現在あるもの」が徐々に劣化して社会全体が衰退してしまうと警告します。ブレディさんは、現在あるもの自体を疑う人々のことを「面倒くさい人」と表現します。そして、もっと面倒くさい人を増やすため何ができるだろうと考えているそうです。私も、どうしたら面倒くさい人の一人になれるか考えてみたいと思います。(店主)

2018年2月18日日曜日

【本の紹介】ちいさなちいさなこおりのくに




 不思議なキャラクターの「ポコポコ」が活躍する絵本シリーズの最新作です。ポコポコは丸くて小さくてふわふわ。正体不明だけど、とても可愛らしい人気者です。
 ある日、雪が降ってポコポコは大喜び。でも、暖かい日だったのにどうして雪が降ったのでしょう。空を見上げると、銀色の氷の雲からしんしんと雪が降っています。ポコポコは風に流される氷の雲を追いかけてみることにしました。ポコポコの小さな冒険の旅が始まります。
 氷の雲を追いかけているうちに、ポコポコはいろいろなおうちを見つけて楽しいひとときを過ごします。カップケーキのおうちではプードルさんが雪だるまを作っていました。ポコポコも一緒に雪だるまを作り始めました。最後にたどり着いたのは「こおりのくに」。そこには氷の雲の帰りを心待ちにしていた銀色のきつねたちがいました。
 この絵本シリーズは7冊を数えるまでになりました。可愛い絵が子どもたちの心を引きつけるだけでなく、断面図のように描いたおうちの中のようすを子どもたちはわくわくしながら見ているのでしょう。「断面図えほんシリーズ」という呼び方もあるそうです。よく工夫されている絵本です。(店主)

ちいさなちいさなこおりのくに
さかいさちえ

教育画劇
本体1000円+税
2017年11月22日発行

2018年2月17日土曜日

【本の紹介】はじまるよ




 熊谷守一の絵で構成した贅沢な絵本です。幼い子どもたちに身近なモチーフの絵を組み合わせ、ゆるやかに時間が流れる一日を表現しました。
 「おひさま、おはよう」と朝が始まります。空には雲が浮かび、木立の間を風が通ります。次々と生き物が登場します。画家が愛した猫は幸せそうに眠るだけ。最後は夜になり、「ぐっすりおやすみ」とページを閉じましょう。
 詩人のぱくひょんみさんがやさしくてシンプルな言葉を綴っています。これらの言葉が絵をいっそう生き生きとさせ、深みを増しています。
 熊谷守一ファンとしては、とてもうれしい絵本です。一方で、こういう絵本の作り方もあるのかとびっくりしました。絵本の可能性が、またひとつ広がったように思います。(店主)

はじまるよ
熊谷守一 絵
ぱくきょんみ 文

福音館書店
本体800円+税
2017年11月5日発行

2018年2月16日金曜日

【本の紹介】ひょうたんめん




【本の紹介】ひょうたんめん

 お化けの「ひょうたんめん」と男の人の戦いをスピーディに描きます。男の人は「おとじろうまごじろう」という変わった名前。一人で二人分の名前を使っているようで面白いですね。ひょうたんめんはかなり強くて怖いお化けです。でも、おとじろうまごじろうも負けていません。両者の戦いの結末はどうなるのでしょう。
 舞台は昔の「たねがしま」です。おとじろうまごじろうは馬を引いて塩を買いに行きました。帰りのさびしい山道、ひょうたんめんというお化けが出ると噂されている場所を通ります。馬を急がせますが、ひょうたんめんが登場。塩を食べ、馬を食べ、次はおとじろうまごじろうを追いかけます。
 ひょうたんめんは怖いけど、少し間抜けなところもあるようです。松の木の上に逃げたおとじろうまごじろうの影が小川の水面に映ると、ひょうたんめんはその影をめがけて飛び込み、川底に頭をぶつけてしまいます。機知を働かせたおとじろうまごじろうは、ひょうたんめんから逃げ通すことに成功します。「ひょろり ひょろり」と帰っていくひょたんめん。おとじろうまごじろうの反撃が始まります。
 鹿児島県の種子島に伝わる昔話を神沢利子さんが再話しました。リズミカルな文章で、テンポよくお話が進みます。赤羽末吉のダイナミックな絵がお話の展開をしっかり受け止め、読者を絵本の世界に引き込みます。ひょうたんめんは怖いけどユーモラス。哀愁も感じさせる、とても魅力的なキャラクターです。ひょうたんめんは最後にどうなったのか、とても気になります。本書は1984年発刊の「ひょうたんめん」(偕成社)を新たな装丁・編集で復刊しました。(店主)

ひょうたんめん
文 神沢利子
絵 赤羽末吉

復刊ドットコム
本体1850円+税
2017年11月25日発行

2018年2月15日木曜日

【本の紹介】なきたろう




 主人公は泣いてばかりいる男の子です。本当は「たろう」という名前ですが、泣いてばかりいるから「なきたろう」と呼ばれています。
 生まれてから泣いてばかりのなきたろうは、5つになっても泣いてばかり。泣くから遊んでやらないといわれて泣き、それなら遊んでやるといわれ、うれしくなってまた泣くという具合です。村人たちも、なきたろうの泣き声が大きくて鶏や牛が怯える、しょっぱい涙で稲を枯らすなどといって、ほとほと困ってしまいます。
 なきたろうはとうさんから、山に行って強くなる修行をしろといわれます。山で天狗と出会い、泣き比べで負けた天狗は団扇でなきたろうを扇ぎ飛ばしてしまいます。飛ばされた先でなきたろうは大きく成長します。なきたろうが自分自身のやさしい心で強くなったことに心を打たれます。
 創作民話の絵本です。民話風に作られた大胆なお話の展開に引き込まれます。登場する人物や動物たちを生き生きと描いた絵が、お話の世界に深みと広がりを与えています。本書は1974年発刊の「なきたろう」(文研出版)を新たな装丁・編集で復刊しました。(店主)

なきたろう
作・文 松野正子
絵 赤羽末吉

復刊ドットコム
本体1850円+税
2017年8月24日発行

2018年2月14日水曜日

【本の紹介】もういいかあい? はるですよ(ちいさなかがくのとも2018年3月号)




 公園の紅梅が匂い、道端に小さな花が咲く。春の気配が少しでも感じられると、春がいっそう待ち遠しくなります。
 この絵本に描かれているように、山の木々や草も春を待ち焦がれているのでしょう。でも、春はこっそりとやってきます。
 カエデのこずえで膨らんだ木の芽が「もう いいかあい?」と聞きました。山は最初、「まあだだよお」とつれない返事。雪が解けて「ちょろちょろ さらさら」と谷に向かって流れていくころ、「もう いいよお」と応えます。それから春は一気呵成にやってきます。
 雪景色のとき、山は静かに眠っていたようです。春の訪れとともに目を覚まし、だんだん元気になります。山は新緑の葉とサクラの花で色づきます。お花見にやって来た人たちもいます。さあ、「はるですよ」!(店主)

もういいかあい? はるですよ(ちいさなかがくのとも2018年3月号)
富安陽子 ぶん
松成真理子 え

福音館書店
2018年3月1日発行
本体389円+税