ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2016年6月29日水曜日

【写真展】赤羽末吉スケッチ写真 モンゴル・1943年



赤羽末吉スケッチ写真 モンゴル・1943
JCIIフォトサロン
2016年5月31日(火)~6月26日(日)

 赤羽末吉氏は「スーホの白い馬」など数多くのロングセラー絵本をうみだしました。その絵の魅力は、徹底して嘘を描かない姿勢を貫いたことにあったようです。ご本人のエッセイなどからも、その強いこだわりをうかがい知ることができます。
 この写真展は最終日に訪れることができました。赤羽末吉が1943年、取材でモンゴルを訪れたときに撮影した写真を初公開したとのことです。1945年に戦争が終わった後、中国で暮らしていた赤羽がこれらの写真を日本に持ち帰ることは困難なことだったようです。しかし、絵本作家となった赤羽が「スーホの白い馬」を手がけた際、嘘を描かない上でも大いに役立つことになりました。
 多くの写真がモンゴルの自然、そして人々の生き生きとした姿を伝えています。写真展の図録を「スーホの白い馬」と合わせみることも興味深いでしょう。

2016年6月25日土曜日

【本の紹介】ちっちゃいさん



ちっちゃいさん
講談社

イソール 作
宇野和美 訳

 誰でも楽しめる絵本です。何故なら誰もが「ちっちゃいさん」、つまり赤ちゃんだったから。
 ずいぶん昔にちっちゃいさんだった人は、自分がちっちゃいさんだったことを思い浮かべましょう。少し前にちっちゃいさんだった人は、周りの人からちっちゃいさんだったころのお話を聞きながら楽しみましょう。ちっちゃいさんがやってきたお家の人は、これから始まるちっちゃいさんとの生活を思い浮かべてウキウキすることでしょう。
 この本を読めば、大きい人はちっちゃいさんのことがよくわかります。だから、ちっちゃいさんのことがますます好きになります。ちっちゃいさんは、あるとき発見するそうです。大きい人たちも昔はちっちゃいさんだったことを。そうすると安心して、みんなと一緒に生きていけるようになります。
 赤ちゃんに対する深い理解と愛情を感じさせる絵本です。

2016年6月23日木曜日

【本の紹介】おとうさんのうまれたうみべのまちへ



おとうさんのうまれたうみべのまちへ
こどものとも(2016年7月号)
福音館書店

小嶋雄二 さく
森英二郎 画

 子どものころ、父親や母親の実家によく遊びに行きました。東京で生まれ育った私にとって、親の帰省にお付き合いすることは、観光地を訪ねる旅行とは一味違う楽しみになりました。親戚と交流を深め、親の子ども時代の話を聞くこともできました。
 この絵本の子どもたちもお父さんの故郷を訪ねます。飛行機や電車、さらにバスに乗らなければならないほど遠いところです。最後にバスを降りたときは「やっとついたね!」の一言。バス停では、おじいちゃんが待っていてくれました。
 お父さんは海辺の町で育ちました。美味しそうな魚がたくさんあります。明日は大綱引きというお祭りがあり、町中の人が2組に分かれて、大きな綱で綱引きをするそうです。
 お話はテンポ良く進みます。版画で描かれた絵がしっかりと町のようすを伝え、繰り返し読んでも楽しめるでしょう。

2016年6月17日金曜日

【本の紹介】わたしのいえ



わたしのいえ
偕成社

カーソン・エリス 作
木坂涼 訳

 木の枝にある巣から一羽の鳥が飛び立ちます。ページをめくると、丘の上に一軒の家。鳥の巣は、家のそばに立つ大きな木の枝にあるようです。鳥に導かれて、いろいろな家を訪ねる旅が始まります。
 柔らかいタッチで描き込まれた絵に引き込まれます。添えられた文は簡潔ですが、絵が語る物語を楽しめます。
 海を行く大きな船が家という人もいれば、木の皮で作った小さな家に住む人もいます。一人ひとりの家があり、それぞれの暮らしがある。幸せの形も異なります。
 旅の最後は、この絵本を描いている画家の家です。空を飛ぶ鳥は、いずれ家を出て独立する子どもたちの姿を暗示しているのでしょうか。

2016年6月15日水曜日

「父の日」に絵本はいかがでしょう。


 6月19日(日)は「父の日」です。絵本の世界でもお父さんは大活躍しています。本棚の中からお父さんが登場する絵本を少しピックアップしてみました。どうぞ手に取ってご覧ください。

2016年6月14日火曜日

【本の紹介】ひとくちどーぞ


ひとくちどーぞ
こどものとも年少版(2016年7月号)
福音館書店

山崎克己 さく

 クッキーを持って、ニコニコ顔の子どもが歩いています。猫に会うと、クッキーを一つ取り出して「ひとくちど-ぞ」。
 でも、魚をくわえた猫は「いらない、いらない」。つれなく行ってしまいました。次にやってきたうさぎや亀にも「いらない、いらない」といわれ、子どもはつまらなそう。
 すると、犬がやってきて「ひとくちくださいな」。クッキーはとても美味しかったみたいです。この犬はおかあさんで、5匹の子犬も後から後から「ひとくちちょうだい」。あっという間にクッキーは無くなってしまいました。泣きべそをかき始めた子ども。最後はどうなるのでしょう。
 インパクトの強い絵がお話の展開を支えています。子どもたちも絵本の世界に引き込まれてしまうでしょう。

2016年6月8日水曜日

【本の紹介】あったかいな




あったかいな
廣済堂あかつき

くすのきしげのり 作
片山健 絵

 ゆうちゃんの家で飼っているネコのミーちゃんは、もうすぐおかあさんになります。ゆうちゃんの友達のあっちゃんも楽しみにしています。
 ゆうちゃんとおとうさんは、ミーちゃんが赤ちゃんを産む箱を作り始めました。あっちゃんも、かわいい絵を描くのを手伝ってくれました。おかあさんは箱の中に毛布やバスタオルをしいてくれました。ミーちゃんも気に入ったみたいです。
 何日か経って、ゆうちゃんたちが学校から帰ると、ミーちゃんが赤ちゃんを産んでいるところでした。がんばって赤ちゃんを産んで、おかあさんになったミーちゃん。そして、命がけで赤ちゃんを守ろうとするミーちゃん。ゆうちゃんとあっちゃんも、おかあさんに甘えたくなってしまいました。
 子ネコを抱っこできるようになったとき、ゆうちゃんとあっちゃんは語り合います。「いきてるって あったかいな」。産まれてきた命はあったかい。ノスタルジックな片山健さんの絵からもあたたかさが伝わります。

2016年6月5日日曜日

【本の紹介】はたきがけこうしん



はたきがけこうしん
こどものとも年中向き(2016年6月号)
福音館書店

大川久乃 ぶん
下田昌克 え

 くわのみ書房では毎朝、はたきがけからお掃除が始まります。お掃除は、あまり好きではないけれど、はたきがけは楽しいと思います。この絵本の主人公のふさえも、はたきがけが大好きみたいです。
 パタパタとはたきがけ。次から次へ、はたきをもって行進です。はたきがあれば、パレードの指揮者の気分。犬のクッキーも一緒です。
 台所では、はたきを逆さまに持ち替えます。はたきの棒でお鍋を「こんかんたん!」。行進は賑やかに続きます。
 でも、おわりが近づいてきました。そろそろ、おやつです。はたきを振り上げて終わりの合図をすると、ふさえは大きく、クッキーは小さく「くしゅん!」。そうそう、はたきがけをすると鼻がムズムズしてきて、くしゃみをしてしまうことがよくあります。やっぱり、マスクをお忘れなく!

【本の紹介】イヌワシつかいのエルジャン

 モンゴルの高地に住む子どもの成長を描いた絵本です。そこではイヌワシを使う狩りが古くから行われていました。子どもの「エルジャン」は父親に習い、イヌワシつかいへの道を歩み始めます。  お話はイヌワシのヒナを捕まえに行くところから始まります。イヌワシをヒナから育てあげ、狩りができるよ...