ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2017年7月30日日曜日

3回目の「ならしのスタディーズ」が開かれました!




 3回目の「ならしのスタディーズ」が開かれました。習志野市の京成大久保駅前の公共施設再生事業をきっかけに始まったトークイベントです。街の活性化をめざし、市内で活躍するゲストのお話を聞いた後に参加者同士が感想やこれからできそうな何かについて話し合います。魅力ある街づくりに、地域住民の積極的な関わりが求められています。
 習志野市本大久保の「ギャラリー&レンタルスペース林檎の木」で開かれた「ならしのスタディーズ 妄想ぺちゃくちゃ編 Vol.3」。今回のテーマは「産業と仕事」です。ゲストスピーカーは習志野市協働経済部産業振興課の藤原友哉さんと障害者就業・生活支援センターあかね園の松尾公平さん、写真館の「日々是好日」の松浦祥平さんの3人でした。
 習志野市産業振興課の藤原さんは、市内の産業についてデータを示しながら説明しました。小売業や飲食店、医療・福祉などサービス産業が多くの割合を占めていますが、東習志野地区では製造業も活発で、技術的に高い評価を得ている企業もあるそうです。また習志野市は交通拠点とのアクセスがよいことから、流通関連産業でも大きな可能性を秘めているとのお話もありました。
 あかね園の松尾さんは、障害を持っている人が出来る限り自立した生活が送れるようにするため、あかね園が行なっている取り組みについて紹介しました。松尾さんは、少し時間がかかるものの障害者はほとんどの業務をこなせると説明します。障害があってもできることを見出し、それを企業に積極的に売り込むなど、障害者の仕事を作り出す役割も担っているそうです。
 日々是好日の松浦さんは、当日まで同じ会場で開催中の写真展「もうひとつの結婚式」の作品をスライドショーで紹介しました。単なる記録に止まらない写真の力が十分に伝わります。写されたことが記憶として残り、それらが蓄積されて人が住む街を作り上げていくことを実感しました。

2017年7月29日土曜日

【本の紹介】きゃべつばたけのぴょこり



 蝶々がたくさん飛んでいます。ほかの虫たちの姿も見えます。春から夏にかけてのある一日。ここはキャベツ畑です。
 キャベツの葉の裏側に「へんなもの」が付いています。それが「ぴょこり」。アリがつついたりカメムシがたたいたりするとぴょこりと動くからぴょこりです。どうやらぴょこりは生きているようです。
 ぴょこりの正体は蝶々のさなぎでした。朝が来るとぴょこりの背中が割れ、蝶々がゆっくりと出てきます。縮まっていた羽を少しずつ伸ばしていきます。羽が伸びきっても、なかなか動きません。カエルが近くに寄って来ました。ここままではカエルに捕まり、食べられてしまいそう。蝶々はうまく飛び立つことができるのでしょうか。
 「ちいさなかがくのとも」の2003年5月号で発表された作品です。作者の甲斐信枝さんを紹介するNHKのドキュメンタリー番組があり、子どものように目を輝かせて生き物を観察する姿に強く心を動かされました。甲斐さんの目を通じて生命が織りなすドラマの面白さが伝わります。

きゃべつばたけのぴょこり
甲斐信枝 さく

福音館書店
本体900円+税
2017年5月20日発行

2017年7月28日金曜日

【本の紹介】高尾山の木にあいにいく



 東京都八王子市の高尾山はとても人気のある山です。標高599mの低山で、ケーブルカーやリフトもあって気軽に山登りを楽しむことができます。東京都心からほど近い距離でありながら、豊かな自然が残されていることも大きな魅力です。
 この絵本はおじいさんが高尾山を登り始めるところから始まります。おじいさんは高尾山の植物の観察を続けています。5月のある日、おじいさんと一緒に高尾山の木に会いにいきましょう。
 小さな白い花をたくさん咲かせている木がありました。おじいさんにはお馴染みのミズキです。馴染みの木でも、会うたびに違う姿を見せてくれるところが自然の面白さです。マツグミという植物は、モミの木に寄生する宿り木の仲間だそうです。
 この日は山頂から富士山を見ることもできました。高尾山には鳥やリス、虫たちもたくさんいます。山歩きをするおじいさんには小さな男の子と女の子、そして天狗もついてきて、おじいさんを見守っていたようです。

高尾山の木にあいにいく
ゆのきようこ 文
陣崎草子 絵

理論社
本体1400円+税
2017年3月発行

2017年7月27日木曜日

【本の紹介】かさちゃんです。



 ミュージカルのような絵本です。絵と文がリズミカルに流れ、読み進めるうちに身も心も弾んできます。
 扉のページに立てかけられた黄色い傘がひとつ。雨が「ざー ざー」と降っています。傘は「くるりん とん」と飛び出すと「ぱっ!」と広がり、「とん とん とん ぴちゃ ぴちゃ ざー ざー」と踊り出します。色の違う傘が続き、7色の「かさちゃん」が揃いました。
 雨が止んだら風に舞い、空高く飛んだかさちゃんたち。7色の虹と重なり「ぴったんこ!」。「ふわり ふわ ふわ」ちおゆっくり降りて、さあ家に帰りましょう。
 同じ作者による「たのしい いちにち」シリーズの1冊です。「まくらちゃんです。」「リュックちゃんです。」に続く3冊目。子どもたちは何気ない一日一日の積み重ねで成長していきます。楽しい一日が過ごせるようにと願う作者の気持ちが伝わります。

とよたかずひこ

童心社
本体800円+税
2017年4月20日発行

2017年7月26日水曜日

「暮らしの手帖89 8-9月号」をお届けします!



 「暮らしの手帖89 8-9月号」(暮しの手帖社)をお届けします。特集の料理記事の中で、「長尾さんのおいしい盛り付け」は料理家の長尾智子さんが最終ゴールとなる盛り付けも意識した料理の数々を紹介します。盛り付けでちょっと楽しくなる料理。それが「おいしい」にもつながります。スタイリストの高橋みどりさんによる器の使い方のコラムも、目からウロコが落ちるヒントがいっぱいです。
 野崎洋光さんは「素材ふたつの和食レッスン」を指南します。主に用いる素材は2つだけ。和食本来の楽しみは素材をシンプルに味わうことだといいます。料理の基本を、和食が上手になる3つのレッスンで学びましょう。
書評欄の「本屋さんに出かけて」では、漫画家の故石森章太郎による絵本の「あしたのあさは星の上」(Pヴァイン)が紹介されています。作者が29歳のときに手掛けたSF童話だそうです。どんな絵本か興味津々です。

 相変わらず内容は盛りだくさん。どうぞお手に取ってご覧ください。

2017年7月23日日曜日

【おすすめの1冊】わたしのせいじゃない-せきにんについて-



 「いじめ」のニュースに多くの人が心を痛めています。この絵本は、いじめが深刻な事態とならないようにするため、私たちが考えるべきことのヒントを描きます。
 スウェーデンで発行された作者によるシリーズの中の1冊です。1996年発行の絵本ですが、未だその内容は古びていません。ただ、それは社会の状況がなかなか改善しないことへの裏返しであり、とても残念なことといわざるを得ません。
 扉のページをめくると、泣いているようにみえる子どもが一人、そしてその背後に14人の子どもたちがいます。ページごとに、14人の子どもたちが一人ずつ前に出て話をします。どうやら、泣いている子どもは、ほかの子どもから叩かれていたようです。でも14人全員が、自分のせいではない、自分の責任ではないといっています。14人の考えは、最後の「たたいてもわたしはへいきだった みんなたたいたんだもの わたしのせいじゃないわ」という意見に集約されています。本当に「わたしのせいじゃない」のか、私たちは強く問いかけられています。
 絵本の後半は、戦争や環境破壊、貧困の問題を示す写真が掲載されています。いじめと同じように「わたしのせいじゃない」と考えて、これらの問題を見過ごしてしまってよいのでしょうか。民主主義社会に生きる者が負うべき「せきにん」とは何か、改めて考えてみたいと思います。

わたしのせいじゃない-せきにんについて-
レイフ・クリスチャンソン-文
にもんじまさあき-訳
ディック・ステンベリ-絵

岩崎書店
1996年1月30日発行
本体900円+税

2017年7月22日土曜日

【本の紹介】こねことこねこ



 上から読んでも下から読んでも同じ言葉や文のことを「さかさことば」あるいは回文といいます。この絵本のタイトルもさかさことばです。この絵本は、さかさことばの絵本。ページをめくって、さかさことばを楽しみましょう。
 動物たちの名前でさかさことばを作っています。「かた に たか」や「にわとり と わに」「いか と かい」など、いわれてみれば気づくさかさことばの数々。シンプルで温かみのある絵を見ながら実際に声に出してみると、面白さもば倍増します。
 子どものころに遊んださかさことばといえば、「とまと」「しんぶんし」「たけやぶやけた」などが定番でした。ちょっと頭をひねれば、もっと複雑なさかさことばがみつかるかもしれません。
 作者の東君平は1986年、46歳のときに病気で亡くなりました。没後30年を迎え、これまで単行本化されてこなかったさかさことばの絵本の発刊が続きます。現在、NHK・Eテレの番組「おかあさんといっしょ」で東君平の「ひとくち童話」がアニメ化されており、新たにファンになった方も多いようです。

こねことこねこ
さく・え 東君平

廣済堂あかつき
本体880円+税
2017年6月30日発行

2017年7月21日金曜日

ビブリオパドルに参加しました!



 ビブリオパドルに参加しました。東京・国分寺の「絵本とおはなしの店 おばあさんの知恵袋」に毎月1回、絵本好きがお気に入りの絵本を持ち寄って集まります。今回の参加人数は5人。いつもより少なめでしたが、そのぶんゆっくり時間をかけて絵本を語り合いました。
 私が紹介した絵本は「とりかえっこ」(作・さとうわきこ、絵・二俣英五郎、ポプラ社)。遊びに出かけたひよこが鳴き声を次々ととりかえっこしていくお話です。最初はねずみさん、その次はぶたさんになって、最後はかめさん。かめさんの鳴き声は「む」です。1978年発行のロングセラー絵本。絵は懐かしさを感じさせますが、奇抜なストーリー展開がとても面白く、古臭さを感じさせません。
 ビブリオパドルは「バトル」ではなく「パドル」です。パドルはカヌーなどで使用する櫂のこと。バトルは避けて、同じ船に乗った者同士が絵本を語り合いながらパドルを使って漕ぎ出そうという発想のネーミングです。

2017年7月20日木曜日

「昔話を子どもたちに」の講演会に行きました!



 「昔話を子どもたちに」と題した講演会が千葉県船橋市で開かれました。講師の伊藤明美さんは、浦安市立中央図書館の司書として長年活躍され、朝日新聞の「子どもの本棚」の書評委員なども歴任されました。現在も小学校や保育園、学童保育クラブなどでお話の語りを実践されています。
 講演会の前半は、伊藤さんが語る昔話を楽しみました。「バター坊や」や「かしこいグレーテル」など外国の昔話のほか、日本の昔話も取り上げていただき、伊藤さんのやさしい語り口に耳を傾けながら、心地よいひとときを過ごしました。
 後半の講演では、勤務されていた図書館で「アウトリーチサービス」として館外に出て行く活動に取り組んでこられたことを紹介。そもそも本に関心がなく図書館に来ない人も
いるため、「図書館員がいるところが図書館になる」という考え方で活動場所を積極的に広げてきたとお話しされました。
 伊藤さんはお話しの語りを行う際、一方的に語るだけではなく、聞く側と対話する気持ちになることの大切さを指摘されています。語り手として、お話を聞く人たちの楽しさも感じることになります。お話の語りを通じて子どもたちの心を楽しませることができる。伊藤さんは、今後もこうした活動を社会に広めていきたいと話されました。

2017年7月19日水曜日

【本の紹介】わたしもかぜになれるのよ(ちいさなかがくのとも2017年8月号)



 どうしたら風になれるのでしょう。簡単です。「いきを ふーっ!」とすれば、それが風です。誰でも風を持っています。
 小さな葉っぱに「ふーっ!」と吹いてみましょう。葉っぱは「ゆら ゆら ゆらん」と動きます。花に止まっている蝶々にはやさしく「ふ~」。蝶々は「ひら ひらひら」と逃げてしまいました。
 誰も風を見ることはできません。でも、葉っぱがゆらゆら揺れるのを見て、風が吹いていることが分かります。風は空気が同じ方向に動いていることを指します。動いている空気がぶつかって、葉っぱも振れるのです。蝶々は空気がぶつかってくることを嫌って逃げたのでしょう。
 「誰が風を見たでしょう 僕もあなたも見やしない」という歌を思い出しました。木の葉をふるわせたり、樹立に頭を下げさせたりして風が通ると歌います。感受性を豊かにすることで、いろいろなことが見えるようになる。風になったら、何が見えてくるのでしょう。

わたしもかぜになれるのよ(ちいさなかがくのとも2017年8月号)
福音館書店
2017年8月1日発行

木坂涼 ぶん
三溝美知子 え
本体389円+税

2017年7月15日土曜日

【本の紹介】いいおてんき(こどものとも年中向き2017年8月号)



 子どものころ、夏休みには父の実家に、泊まりがけでよく行きました。父の実家は群馬県の農家です。東京で生まれ育った子どもにとって、田舎の生活を体験するよい機会でした。
 この絵本では、主人公のともちゃんが夏休みに、おじいちゃんとおばあちゃんが暮らす家に行きます。ともちゃんはおじいちゃんと畑に行き、野菜を収穫します。
 急な雨に降られますが、お天気続きだった畑には恵みの雨でした。おじいちゃんが教えてくれました。「はたけに とったら どっちもだ。はれているのも、いいおてんき。あめの ふるのも、いいおてんき」。
 畑にはカエルやバッタ、チョウチョ、テントウムシなど、いろいろな生き物が住んでいます。畑の住人たちをどうぞ見逃さないでください。

いいおてんき(こどものとも年中向き2017年8月号)
福音館書店
2017年8月1日発行

なかのゆき 文
井上文香 絵
本体389円+税

2017年7月14日金曜日

「YAの本を読む会」に参加しました!




 千葉市の児童書専門店の会留府で毎月開かれているYA(ヤングアダルト)の読書会に参加しました。今回のテキストは「スコーレNo.4」(宮下奈都、光文社文庫)です。一人の女性が中学生から大学生、そして社会人になってからの時代を含めて成長していく姿を描きます。主人公は骨董品屋を営む家庭で育ち、家族との関係や恋愛、仕事を通じて大人になっていく。美しくみずみずしい文章で描写された主人公は魅力的です。生々しい描写はほとんどなく、リアリティに欠けるように思いますが、読書会でも指摘された「サラッとした感じ」が肌に心地よく感じられる人は多いのではないかと思います。「No.1」から「No.4」の4章で構成する章立てで、各章は別々の時代を独立して描き、それぞれが短編小説として読めるようにもなっています。もちろん全体的に一つの作品として完成しており、とてもよく考えられている構成です。YAといわれている人たちより上の世代におすすめしたいとの意見もありました。この作家の作品で、次は「羊と鋼の森」を読んでみたいと思いました。

2017年7月13日木曜日

【おすすめの1冊】10ぱんだ



 上野動物園でパンダの赤ちゃんが誕生しました。7月12日で1カ月が経過し、順調に育っているようすがニュースで伝えられました。赤ちゃんパンダ誕生にあやかって、パンダの写真絵本をご紹介します。
 ページをめくると、「1ぱんだ」から「10ぱんだ」まで、パンダがだんだん増えていきます。パンダは姿形だけでなく、仕草も含めてとてもかわいい。「4ぱんだ」のページのパンダたちは、本当におしくらまんじゅうで遊んでいるように見えます。
 写真は岩合光昭さんの作品です。中国で撮影されたようです。動物写真家の岩合さんは猫の写真で有名です。同じような構成の「10ねこ」という絵本が昨年の2016年に発刊されていますが、「10ぱんだ」はそれよりも早く、2007年の発行です。
 上野の赤ちゃんパンダはもうすぐ目が開き、生後3カ月くらいでよちよち歩きが始まるようです。お披露目は半年後になる見通しです。元気な姿が見られるよう願っています。

10ぱんだ
福音館書店
2007年5月20日発行

岩合日出子 ぶん
岩合光昭 しゃしん
本体900円+税

2017年7月12日水曜日

海の絵本をテーマコーナーに並べました!



 暑い夏がやってきました。夏といえば海水浴という人も多いのではないでしょうか。夏は海に親しむチャンスです。
 海は多くの恵みを与えてくれます。一方で、大きな損害をもたらすこともあります。海と私たちの関係は一筋縄では行きません。
 海の世界はまだまだ知らないことばかりです。だからこそ、海には物語がたくさん潜んでいます。
 海に関連する絵本を本棚からピックアップしてテーマコーナーに並べました。自分にぴったりの海を探してみましょう。どうぞ、お手に取ってご覧ください。

2017年7月9日日曜日

【本の紹介】おばけえんはすぐそこです(こどものとも2017年8月号)



 夏です。暑い日が続きます。おばけのお話で、ぞぞっと涼しくなりましょう。この絵本には、おばけがたくさん登場します。おばけは怖い? でも、ちょっと愉快なところもあるおばけたちです。
 舞台は「おばけえん」です。おばけえんでは幼稚園や保育園のように、お散歩をしたりお弁当を食べたり、お昼寝をしたりして過ごします。人間のこどもたちと同じです。
 山姥やろくろ首、河童など、お馴染みのおばけたちが登場します。迫力のある絵とともに、リズミカルな詩がおばけたちを描写します。かわいそうに、のっぺらぼうはお昼寝をしている間に、何もないのっぺらしたお顔にいたずら書きをされてしまいました。
 最後の帰り時間には、ふたまたしっぽのキツネ先生がクイズを出しています。おばけの体の一部をみて、それが誰か当ててください。これでおばけえんはおしまい。でも、おばけたちはいつも子どもたちをみているそうです。いっしょに遊ぼうって出てくるかもしれません。

おばけえんはすぐそこです(こどものとも2017年8月号)
福音館書店
2017年8月1日発行

山崎るり子 詩
石黒亜矢子 絵
本体389円+税

2017年7月8日土曜日

【本の紹介】カーテンふわり(こどものとも0.1.2 2017年8月号)


 カーテンがかけてある窓の向こうには外の世界が広がっているはずです。ふわりとカーテンを開けてくれるのは風。カーテンの隙間から、少しだけ外とつがります。
 カーテンに隠れていた窓辺。そこに来てくれたのは誰か当てっこしましょう。ねこやすずめ、カエル、トンボ、そしてうれしいことに、最後にはリスも来てくれました。
 色鉛筆で描かれたやさしいトーンの絵は、子どもたちの目で実際に見ているような雰囲気です。シンプルながら、奥行きを感じさせます。
 表紙の白いちょうちょは、ひらりと窓から入り、裏表紙を見ると、そのままカーテンにとどまって外への関心を誘います。幼い子は、窓を通じて外の世界と出会う楽しさを感じているのでしょう。

カーテンふわり(こどものとも0.1.2 2017年8月号)
福音館書店
2017年8月1日発行

澤口たまみ 文
どいかや 絵
本体389円+税

2017年7月7日金曜日

「暮しの手帖別冊 家事じょうずの暮らし」をお届けします!




 「暮しの手帖別冊 家事じょうずの暮らし」が入荷しました。家事を変えれば暮らしが変わると提案します。一見地味な家事にこそ、すてきで清々しい暮らしを続ける秘訣がある。自分で考え、工夫するクリエイティブな家事に取り組む11家庭の15人の方々から、とっておきの暮らしの知恵や工夫を教えていただきます。紹介されている暮らしぶりは、かなり高レベルといってよいかもしれません。これまで自分が続けてきた方法に、これらのエッセンスを合わせるだけでも、日々の暮らしに少しずつ喜びを加わえていくことができるでしょう。どうぞお手に取ってご覧ください。写真やイラストをながめるだけでも、心地好く刺激されそうです。

2017年7月6日木曜日

「母の友」2017年8月号が入荷しました!




 子どもの貧困が問題視されています。「母の友2017年8月号では特集のテーマに「子どもの貧困」を取り上げています。先進国でも貧困が問題となっていますが、その背景には貧困に対する理解不足もあるようです。例えば、教科書以外の本を一冊も持っていない子どもがいるそうです。図書館に行けばよいといわれても、小さいころから本を買えない、あるいは読まない環境で育つと、そもそも本に興味を持つことが難しく、図書館を使うという発想もありません。こうして子どもの格差がだんだん大きくなっていく。子どもからその子どものに引き継がれる貧困の連鎖を断ち切るため私たちは何をすべきか、この特集企画をきっかけに改めて考えてみたいと思います。どうぞお手に取ってご覧ください。

2017年7月5日水曜日

絵本の月刊誌8月号をお届けします!



 福音館書店の絵本の月刊誌2017年8月号をお届けします。
 「こどものとも0.1.2」は涼しげな風をさりげなく表現する「カーテンふわり」。薄く透けるカーテンがふわりと開いたとき、誰が姿を現すのか当ててみましょう。「こどものとも年少版」は、今は数少なくなった路面電車の活躍を描く「すすめろめんでんしゃ」。赤い路面電車がかっこよく走ります。「こどものとも年中向き」の「いいおてんき」は夏休みのお話です。おじいちゃんとおばあちゃんの家に来たともちゃんが、畑に行って野菜の収穫を手伝います。「こどものとも」には、たくさんのおばけが登場します。愉快な絵とリズミカルな詩で、おばけたちを描きます。
 誰でも風になれると教えてくれるのが「ちいさなかがくのとも」。息を「ふーっ!」と吹いて、さあ風になりましょう。タイトルは「わたしもかぜになれるのよ」です。「かがくのとも」の「れっしゃがとおります」は、電車に支えられた人々の生活をきちんと描きます。「たくさんのふしぎ」は「海の中のくらしかた」がタイトル。アザラシやペンギン、クジラたちが海の中でどのように生活しているのか知るため、研究者たちはいろいろな装置を使って記録を取っています。その記録から何が分かったのでしょうか。
 一つひとつが力作の絵本です。どうぞ手に取ってご覧ください。

2017年7月2日日曜日

「モンキー」vol.12が入荷しました!




 文芸誌の「モンキー」vol.12が入荷しました。特集のテーマは「翻訳は嫌い?」。多くの翻訳を手がけた作家の村上春樹さんと、この雑誌の編集人を務める翻訳家の柴田元幸さんの対談が2本掲載されています。翻訳の機微が語られ、とても興味深い内容です。村上さんが手がけた翻訳には絵本の作品もたくさんあります。生物学者の福岡伸一さんのエッセイもあり、ニューヨークの2つの図書館が紹介されています。そのうちの一つのモルガン・ライブラリーには、ニューヨークを旅行した際に行ったことがあります。壁一面の書架の写真を見て、圧倒されたことを思い出しました。柴田さんによる「日本翻訳史 明治篇」もあり、読みどころ満載です。どうぞお手に取ってご覧ください。

2017年7月1日土曜日

「フクロウが来た」の読書会に参加しました!






 フクロウとの暮らしを綴った「フクロウが来た」(筑摩書房)の読書会に参加しました。著者の刈谷夏子さんも参加する読書会。熱く濃厚なフクロウ談義を楽しませていただきました。開かれたのは6月30日。会場は、くわのみ書房からほど近いカフェ・リトルズーでした。ここはフクロウやカメたちに会えるカフェとして、雑誌などでもよく紹介されているお店です。刈谷さんがフクロウの「ぽー」を譲り受けたのもリトルズーでした。参加者はフクロウやワシなどの猛禽類やカメを飼育されている方々がほとんど。実際にご自分のミミズク(?)を持参された方もいました。実際に間近で拝見すると、パッチリ大きな目でとてもかわいい。刈谷さんは、本の中でも書かれていますが、「ぽーのことをペットとは思っていない」とお話されます。暮らしをともにしながら、より自然に近い立ち位置にいるフクロウたち。自然を破壊しなければ生きていけない人間が、自然を守ろうと言うことの矛盾。人と自然の関わりは一筋縄ではいかない。そんなことを考えさせられた読書会でした。

【ご案内】子どもの本のろうどく会 vol.9

 くわのみ書房は「子どもの本のろうどく会 vol.9」を開催します。「子どもに語る アンデルセンのお話」(こぐま社)の中からお話を一つ、くわのみ書房のスタッフが声に出して読みます。子どもだけでなく、大人の方もお気軽にご参加ください。 ■日 時:2024年5月4日(土)午前11時~...