ブログの説明

絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2017年10月27日金曜日

「木とこどものくらし展」に出店します!





 くわのみ書房は10月28日(土)、習志野市本大久保のギャラリー「林檎の木」で開催中の「木とこどものくらし展」に出店し、絵本などを出張販売します。この日のイベントの「森と木にまつわるおはなし会」では絵本を読む会を開きます。ご来場をお待ちしております。

「木とこどものくらし展」
会場:「林檎の木」(http://www.gallery-ringonoki.com)
   千葉県習志野市本大久保3-8-3河合ビルB2F
会期:2017年10月26日(木)〜29日(日)11:00〜18:00

 くわのみ書房の出店は28日(土)11:00から17:00まで。「森と木にまつわるおはなし会」は13:30~14:00と15:30~16:00の2回行う予定です。同日は店舗の営業はありません。
 「木とこどものくらし展」では、高知県の四万十川流域で生育した良質なヒノキを100%使用した「ヒノキカグ大正集成」(http://hinopkikagu.com/)のこども家具や玩具が登場します。この機会に、ヒノキの心地よさにぜひ触れてみてください。

2017年10月26日木曜日

「木とこどものくらし展」が始まりました!








 「木とこどものくらし展」が習志野市本大久保のギャラリー「林檎の木」で始まりました。会期は10月26日(木)から29日(日)まで。高知県の四万十ヒノキでつくられた子どもの家具や玩具を展示販売します。くわのみ書房は28日(土)に絵本の出張販売を行います。
 四万十川が流れる高知県・四万十町。この町の四万十町森林組合は四万十ヒノキを育て、「ヒノキカグ大正集成」の独自ブランドで家具などの製造販売を行っています。このヒノキカグの商品は天然の木材による集成材を使っているため、同じ商品で一つひとつ木目や色合い、風合いが異なります。
 木とこどものくらし展ではヒノキカグが提供する家具・玩具を展示して販売します。子どもたちと一緒にヒノキの香り、優しい手触りを味わってください。
 くわのみ書房は会期中の28日に出店して絵本などを販売します。森と木をテーマにした絵本を読む「おはなし会」も午後1時30分と3時30分に開く予定です。どうぞお出かけください。

2017年10月25日水曜日

「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー2018」を販売しています!




 福島で被災したこどもたちを応援するカレンダーが今年も完成しました。12人の絵本作家から絵の提供を受けて制作した「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー2018」の販売収益は一般社団法人子ども被災者支援基金に送られます。
 このプロジェクトは関西の市民グループの呼びかけで2016年から始まりました。今年は、おーなり由子、吉田尚令、あおきひろえ、あべ弘士、はたこうしろう、青山友美、山福朱実、降矢なな、ふしはらのじこ、スズキコージ、長谷川義史、市居みかの12人の絵本作家が個性的な作品を提供しました。 
 このカレンダーの原画展も始まりました。10月16日(月)から11月10日(金)まで東京都港区のクレヨンハウス、11月16日(木)から12月2日(土)まで大阪市北区の空色画房、2018年1月13日(土)から21日(日)まで京都市中京区の堺町画廊で、それぞれ開催されます。
 くわのみ書房でも、このカレンダーを販売しています。1部1000円(税込)です。どうぞお手に取ってご覧ください・

2017年10月23日月曜日

翻訳家の三辺律子さんの講演を聞きました!



 翻訳家の三辺律子さんの講演会があり、10月23日に千葉県船橋市の船橋市西部公民館まで出かけました。三辺さんは英米文学がご専門。絵本やYA(ヤングアダルト)など、これまで120冊余りの翻訳を手がけています。
 三辺さんは児童書の歴史からお話を始めました。18世紀の「ロビンソン・クルーソー」や「ガリバー旅行記」などが児童書の芽生えとなり、19世紀に「ふしぎの国のアリス」などが児童書として誕生。20世紀に黄金期を迎え、「ピーターパン」や「ドリトル先生アフリカ行き」「くまのプーさん」など今もお馴染みの名作が揃います。
 三辺さんは今回の講演で貧困や離婚・家庭、マイノリティ、障害まで本当に幅広いテーマを扱うようになった現代の児童書を数多く紹介され、そのパワーに圧倒されました。
 三辺さんも編集に携わるフリー・ブックレットの "BOOKMARK" もいただきました。

2017年10月22日日曜日

【本の紹介】森のおくから



 私たちの世界では、ときどき思いもよらないことが起こります。この絵本のお話もその一つ。100年ほど前、カナダで実際にあったお話です。
 アントニオが住むカナダのゴーガンダは森の中の小さな町です。アントニオのおかあさんは湖のほとりでホテルをやっていました。森にはたくさんの動物たちが住んでいましたが、アントニオにその姿を見せることはありません。森のおくに隠れて暮らしているのです。
 ある年の夏、日照りが続き、乾ききった森で山火事が起こりました。火はまたたくまに燃え広がり、もはや逃げる場所は湖しかありません。人々が水に浸かりながら火事を見ていると、炎と煙の向こうから動物たちも湖に逃げてきました。キツネやウサギ、オオカミのほか、クマまでやってきました。人間と動物たちは火が消えるまで、体が触れるほど近くに立っていました。
 アントニオが5歳のときのお話です。アントニオはその後もずっと、山火事の日のことを忘れることはありませんでした。あのとき、人間と動物を隔てていたものが確かに無くなっていたのです。アントニオは作者の祖父です。祖父は自分の子どもたちにこの話を聞かせ、子どもは母となり作者に語り伝えました。力強く描かれた絵がお話の内容をしっかり支えています。(店主)

森のおくから
レベッカ・ボンド 作
もりうちすみこ 訳

ゴブリン書房
本体1400円+税
2017年9月発行

2017年10月21日土曜日

【本の紹介】こどもってね……



 子どもの顔がページいっぱいに描かれています。みんな生き生きとした表情です。何かを語りかけているみたいです。文章に書かれていることよりたくさんのことを話しているように見えます。何を話しているのか、耳を傾けてみましょう。
 面白いお話をしてくれる子もいるでしょう。その子とは仲良くなれそうです。あなたのお話も聞いてくれそうです。
 でも、苦手に感じる子もいるかもしれません。お話を聞いても「そうかな?」と思ったりすることがあるかもしれません。でも、最後までお話を聞いてあげてください。そして、次の日にまたこの絵本のページをめくってみましょう。今度は仲良くなれるかもしれません。
 友だちがたくさん作れる絵本です。子ども同士、きっとよい話し相手が見つかります。どんどんお話してみましょう。大人は決して邪魔をしないでください。

こどもってね……
ベアトリーチェ・アレマーニャ
みやがわえりこ 訳

きじとら出版
本体1600円+税
2017年9月25日発行

10月22日の “Rodina Market” 中止のお知らせ



 くわのみ書房が出店を予定していた10月22日(日)の “Rodina Market” 開催は、雨の予報のため中止になりました(参照:http://www.rodina.jp/event/17811)。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
 くわのみ書房は、22日は通常通り店舗で営業します。
 また、“Rodina Market” は10月29日(日)に再度延期して開催することが決定しています。くわのみ書房は都合により、同日の出店はありません。

2017年10月20日金曜日

毎月恒例のビブリオパドルに参加しました!



 毎月恒例のビブリオパドルに参加しました。東京都国分寺市の絵本・児童書専門店「おばあさんの知恵袋」に絵本好きが集まりました。
 18日の午後7時から始まり、今回は8人の参加でした。参加者は自分のお気に入りの絵本を紹介します。他の人の話を聞くだけの参加でも構いません。
 私は「ヤマネはねぼすけ?」(福音館書店)を紹介しました。ヤマネはリスやネズミに似た小さな動物です。体長は8センチメートル、体重は18グラムほど。森の木の上で暮らし、冬には冬眠します。国の天然記念物に指定されている貴重な動物です。山梨県・清里にやまねミュージアムという施設があり、ヤマネについて詳しく知ることができます。私は夏の旅行で清里によく行ったことがあり、ヤマネには親しみを感じていたので、この写真絵本を取り上げました。ただ残念なことに、現在この絵本は出版元で品切れになっているようです。
 そのほか今回紹介された絵本は、「しごとをとりあけただんなさん」(童話館出版)、「三びきのコブタのほんとうの話」(岩波書店)、「よあけ」(福音館書店)、「しょうてんがいはふしぎどおり」(佼成出版社)、「雪がふっている」(タムラ堂)、「ロージーのおさんぽ」(偕成社)、「パオバブのことば」(ふげん社)、「とっときのとっかえっこ」(童話館出版)など。知らなかった絵本もあり、今回も刺激たっぷりの集まりでした。

2017年10月19日木曜日

「かぞくのじかん 秋2017 Vol.41」が入荷しています!



 「かぞくのじかん 秋2017 Vol.41」が入荷しています。子育ての環境をよくしたいと願う人たちにおくる季刊の情報誌です。
 特集のテーマは「今日から変わる 私の朝の時間割」。あわただしい朝の時間をどう過ごすか、5つの家族の実例が参考になりそうです。
 もう一つの特集は、家計特集として「ちょっと聞きにくいお金の話」をテーマに取り上げています。限られた収入の中で、どうしたら心豊かに生活できるのか。本当に大切なものを見失わないように、「わが家はこうしよう」という方向性を見出すためのヒントを見つけてください。
 スペシャルインタビューではグラフィックデザイナーのセキユリヲさんが、特別養子縁組で授かった2人の子どもたちのこと、そして今に至るまでのことをお話しされています。そのほか、充実の内容です。どうぞ、お手に取ってご覧ください。

2017年10月15日日曜日

【本の紹介】水辺の番人 カワウ(たくさんのふしぎ2017年11月号)



 カワウは身近な水鳥です。くわのみ書房がある千葉県習志野市の谷津干潟でもよく見かけるお馴染みの鳥です。でも、実はカワウについて知らないことがたくさんありました。
 この写真絵本で初めて知ったことの1つ目は、羽の色が茶色だということ。黒だと思っていたので、驚きました。「味わいのある金茶色のうろこ模様で、光を反射し」と解説されています。表紙の写真を見るとその通りです。とても美しい。2つ目も羽について、油分が少なく、水が浸み込みやすいこと。カワウは水に潜って魚を採りますが、水が馴染む羽で潜りやすくなるそうです。カワウがよく羽を広げている姿をよく見かけますが、これも羽に浸み込んだ水分を乾かすためだそうです。
 3つ目は、カワウはアカエイも食べてしまうこと。アカエイは毒針をもっているとのことですが、刺されないように巧に獲物を振り回して弱らせ、一気に頭から飲み込んでしまうそうです。この絵本には、アカエイのほか、シマイサキ、ウナギ、メイタガレイ、ゴンズイなどを食べるところの写真が掲載されています。「鵜呑みにする」という言葉は、カワウが豪快に魚を飲み込む姿から生まれました。
 この絵本から、カワウに対する作者の深い愛情を感じることができます。作者はカワウのことを、自然豊かな水辺を守る番人と呼び、厚い信頼を寄せているようです。

水辺の番人 カワウ(たくさんのふしぎ2017年11月号)
中川雄三 文・写真

福音館書店
2017年11月1日発行
本体667円+税

2017年10月14日土曜日

【本の紹介】だいじなくつ(こどものとも年少版2017年11月号)



 主人公のももちゃんはママに新しい靴を買ってもらいました。色は赤で、サイズもぴったり。マジックテープが付いているから、一人で履くことができます。ももちゃんの大事な靴になりました。
 図書館のお話会のあと、ももちゃんの靴が見当たりません。赤い靴がポツンと残っていましたが、ものちゃんの靴ではありません。「ももちゃん おそいから さきかえるよー」といって帰ってしまった…。まさか、そんなわけはないよね?
 とても親しみが感じられる絵です。画用紙にサインペンで線画を描き、クレヨンで彩色したように見えます。ありふれた画材を使うことで、子どもの感情を何ら気負うことなく素直に描けたのかもしれません。
 大人でも、大切なお気に入りがなくなったらあわててしまいます。ももちゃんの心は不安でいっぱいです。大事な靴は見つかるのでしょうか。

だいじなくつ(こどものとも年少版2017年11月号)
にしむらあつこ さく

福音館書店
2017年11月1日発行
本体389円+税

“Rodina Market” 開催延期のお知らせ



 くわのみ書房が出店を予定していた “Rodina Market”の開催は10月15日(日)から22日(日)に延期されます。15日は天気予報で降水確率が高く雨の心配があるため、22日に延期することになりました(参照:http://www.rodina.jp/event/17671)。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
 くわのみ書房は、15日は通常通り営業します。

2017年10月13日金曜日

【本の紹介】ひつじかいとうさぎ(こどものとも年中向き2017年11月号)



 スズキコージの絵が素晴らしい。奥行きが深く迫力がある絵にぐいぐい引き込まれます。とくにお話が急展開する場面のくまの表情は本当に恐ろしく感じられるほど見事です。
 お話は、北ヨーロッパのバルト三国のひとつであるラトビアの民話をうちだりさこが再話しました。登場人物(動物)やエピソードが次々とつながっていく形式のお話です。累積譚というそうです。「ぐるぐる話」とも呼ばれ、同じ言葉が繰り返されて順序通り正しく続いていきます。子どもたちはすぐ覚えて、口に出して楽しめるでしょう。
 この絵本は、もともと「こどものとも」1975年9月号として出版されました。その後、「こどものとも年中向き」1991年3月号として再版され、今回3度目の登場となりました。古さを少しも感じさせない名作絵本です。
 文章と絵が的確な相乗効果を生み出しています。前半のゆっくりしたペースは後半にアップテンポとなって結末を迎えます。誰もが最後まで目を離すことなく読み終えてしまう絵本です。

ひつじかいとうさぎ(こどものとも年中向き2017年11月号)
ラトビア民話
うちだりさこ 再話
スズキコージ 画

福音館書店
1975年9月1日「こどものとも」第1刷発行
2017年11月1日「こどものとも年中向き」第2刷発行
本体389円+税

2017年10月12日木曜日

【本の紹介】すいどう(かがくのとも2017年11月号)



 扉のページでは、水が地面から噴き出しています。何が起こったのでしょう。どうやら水道管に穴が開いてしまったようです。工事が始まり、水道管の修理が終わりました。
 蛇口から流れて来るお水は、水道を使って私たちの家に送られてきます。水が通る道のことを水道と言います。水道の水が流れるパイプが水道管です。
 お水は料理や洗濯、お風呂など、いろいろなことに使います。水は私たちの暮らしに欠かせないものです。だから、水を運んでくれる水道はとても大切です。でも、私たちは普段、水道についてあまり意識することはありません。水道の仕組みをわかりやすく解説しているこの絵本が、水道のことを考えるきっかけになりそうです。
 水道のお水は、もともと雨でした。雨水が集められ、綺麗にしてから水道水として使われます。水道水は使われた後、海に流れ、蒸発して雲になり、また雨になります。水は地球を循環しているのです。水道について考えることは、地球環境を考えるきっかけにもなりそうです。

すいどう(かがくのとも2017年11月号)
百木一朗 さく

福音館書店
2017年11月1日発行
本体389円+税

2017年10月11日水曜日

【本の紹介】アンヘリータとおばあちゃん-メキシコのおぼん ディア・デ・ムエルトス(こどものとも2017年11月号)



 メキシコにはディア・デ・ムエルトスというお祭りがあるそうです。先祖を偲ぶ行事で、日本のお盆とよく似ています。この絵本では楽しいお祭りのようすが、アンヘリータという少女を通して描かれています。木版画の多色刷りと思われる絵から、人と人をつなぐぬくもりが感じられます。
 アンヘリータはおかあさんと一緒に小さな村で暮らしています。遠くの大きな町で働いているおとうさんは、たまにしか帰ってきません。ある朝、アンヘリータはおかあさんから、センパスチルという花をたさくさん摘んで来るように頼まれます。ご先祖様をお迎えするため、ディア・デ・ムエルトスの日の祭壇に飾るのです。
 アンへリータは「ごせんぞさまって なに?」と聞きました。おかあさんは「ずーっと むかしから つづいている かぞくのことだよ」と教えてくれました。去年亡くなったおばあちゃんも、アンリヘータのご先祖様です。アンリヘータは大好きだったおばあちゃんのことが気になっているようです。
 アンへリータとおかあさんが街に買い物に出かけると、屋台がたくさん並び、店の飾り付けも賑やかです。日本のお祭りと違うところは、死のシンボルであるガイコツの飾りがいたるところにあることです。付録の解説は、これらのガイコツは死が恐怖ではなく、ユーモアや敬愛の対象として捉えられていることの表れといっています。アンへリータはディア・デ・ムエルトスをきっかけに、おばあちゃんはいつもそばにいてくれると感じるようになりました。

アンヘリータとおばあちゃん-メキシコのおぼん ディア・デ・ムエルトス(こどものとも2017年11月号)
直江みちる ぶん
今井俊 え

福音館書店
2017年11月1日発行
本体389円+税

2017年10月8日日曜日

似顔絵を描いていただきました!




 こんな素敵な似顔絵を、とのむらせつこさんに描いていただきました。とのむらさんは先ごろ、「て」(こどものとも年少版2017年10月号、福音館書店)で絵本デビューを飾ったばかりです。「て」については、当店のブログやFacebookページでも紹介しています。
 くわのみ書房にご来店いただく機会があり、その際、さっと絵の具を取り出してあっという間に描き上げてしまいました。温かみのある絵を短時間に仕上げる手際のよさにびっくりしました。
 「て」の制作にまつわるお話もお聞きすることができました。内容をぎりぎりまで削ぎ取ってあの形になったそうです。とてもシンプルな構成が読む人の心を打つ絵本です。和紙を使ってリアルに描いた手の表情も見応えがあります。
 とのむらさんは首都圏などで書画教室を主宰されているほか、絵葉書や風呂敷、扇子、提灯など、和小物のデザインも手がけています。とのむらさんが絵を描き、「分とく山」料理長の野崎洋光さんが文を綴った「毎日まいにち 手間ひまかけて」(高陵社書店)は、野崎さんの料理のレシピ集も付いた楽しい本です。とのむらさんは「みんな違って 金子みすゞ最後の一日」(高陵社書店)の絵も担当されています。機会があれば、ぜひご覧ください。(くわのみ書房・店主)

2017年10月7日土曜日

【本の紹介】よるのようふくやさん



 ここは街の洋服屋さんです。夜になって店じまいしたあと、ずっとずっと遅く、また店を開きます。昼間の洋服屋さんが夜の洋服屋さんになるのです。いったい、どんなお客さんが来るのでしょう。
 最初のお客さんは、にわとりを育てているおじさんです。猫に襲われても平気な洋服をにわとりに着せたいといっています。「それなら」と、洋服屋さんが持ってきたのはペリカンでした。ペリカンのスーツをにわとりに着せたあと、くちばしを閉じれば大丈夫というわけ。でも翌朝、ペリカンスーツを着たにわとりはみんな飛んで逃げていってしまいました。おじさんは「たいそう がっかりしたとか しないとか」。
 奇想天外なお話にすっかり引き込まれてしまいました。お話のイメージをしっかり受け止めて描かれた絵も魅力的です。都会的なセンスも感じます。
 洋服屋さんは、次から次へとやってくるちょっと変わったお客さんの注文に不思議な商品で応じます。お話の最後にもちょっとビックリ。最初から最後まで、たっぷり楽しめる絵本です。

よるのようふくやさん
穂高順也・文
寺島ゆか・絵

文溪堂
本体1500円+税
2017年4月発行

2017年10月6日金曜日

「母の友」2017年11月号をお届けします!



 「母の友」2017年11月号は特別企画として「こどもに聞かせる一日一話」を掲載しています。2~3分で読んであげられるお話を30話紹介しています。お話を聞くことが大好きな子どもたちに、どうぞ読んであげてください。
 新しく創作したお話や世界の昔話のほか、以前に掲載されたことのあるお話もあり、バラエティに富んだ内容です。30人の作者の中には、絵本作家で千葉県在住の花山かずみさんのお名前もありました。
 元裏浦安市立中央図書館司書の伊藤明美さんが、この企画の「いいところ」と「困ったところ」を解説しています。どうやらいいところばかりのようですが、絵本の読み聞かせとは違う楽しみがあることを教えてくれます。
 私たちは耳から聞いたことばから、いろいろ想像して楽しみを大きくすることができます。伊藤さんは「生活で体験すること以上のことをことばだけで想像するには、耳で聞く経験の積み重ねが必要」と指摘しています。この企画がきっと役立つことでしょう。

2017年10月5日木曜日

“Rodina Market” に出店します!




 くわのみ書房は千葉県八千代市の Rodina が開催する “Rodina Market” に出店します。毎年開催されているこのイベント。くわのみ書房は初参加です。
 雑貨屋さんの Rodina が毎年開催するイベントです。雑貨や服飾など、個性豊かな作品を取り扱うお店が Rodina駐車場に並びます。飲食店も出店します。
 開催日時は10月15日(日)の午前10時から午後2時まで。雨天時は10月22日(日)に延期します。くわのみ書房は絵本などを出張販売します。大勢の方のご来場をお待ちしております。

Rodina Market
日時:10月15日(日)午前10時~午後2時
会場:Rodina駐車場
   (Rodina:〒276-0028千葉県八千代市村上1601-3
    TEL047-405-0013 http://www.rodina.jp/)

2017年10月4日水曜日

【本の紹介】チャールズ・ダーウィン、世界をめぐる



 チャールズ・ダーウィンは、19世紀のイギリスの偉大な科学者の一人です。「種の起源」という本を著し、自然選択説に基づく生物の進化論を提唱しました。自然選択を生物の進化の基盤とする考え方は、今でも生物学の根幹を成すものとされています。
 ダーウィンの時代は博物学という学問が大きな関心を集め、発展していきました。博物学は、自然の中の動物や植物、鉱物の種類、性質、分布などを記載して整理し、分類する学問です。博物学を極めるためには、対象となるものを詳細に観察することが不可欠です。
 ダーウィンはまさに博物学者の一人でした。この絵本で描かれているように、ダーウィンは子どものころ、教室の中でじっとしていることは大嫌いで「野原で甲虫やミミズ、鳥や石ころや骨をさがしてばかり」。そして、「見つけたたからものを種類ごとにわけたり、ならべたりするのに何時間でも集中すること」ができたといいます。そんなダーウィンが、ビーグル号という海軍の船で世界中をめぐることができるようになったとき、どんなにうれしかったことでしょう。
 この絵本でダーウィンと一緒に、ビーグル号の航海を楽しみましょう。もちろん、有名なガラパゴス諸島にも行きます。5年に及ぶ航海を通じて、ダーウィンは多くのことを知りました。それらはダーウィンが進化論を考える上で大いに役立ちました。ダーウィンはビーグル号で体験したことをまとめ、「ビーグル号航海記」という本も出版しています。この絵本を読んで「ビーグル号航海記」も読んでみたくなりました。

チャールズ・ダーウィン、世界をめぐる
ジェニファー・サームズ 作
まつむらゆりこ 訳

廣済堂あかつき
本体1800円+税
2016年9月30日発行

2017年10月1日日曜日

【本の紹介】きょうはたびびより(ちいさなかがくのとも2017年10月号)



 ヒヨドリの渡りのようすが描かれています。身近な野鳥のヒヨドリですが、渡りをするとは知りませんでした。ヒヨドリは公園や人家の庭などで1年中みることができるからです。
 付録の解説によると、日本ではすべてのヒヨドリが渡りをする訳ではないようです。関東地方では、年を通じて同じ場所で生活するヒヨドリもいれば、渡りのときに通過したり、秋になって他の地域からやってきて冬の間だけそこに留まるヒヨドリもいるそうです。「関東以西の地域では、冬になるとヒヨドリが増えたように感じることが多いはず」とも書いてありますが、正直なところ気づいていませんでした。
 ヒヨドリの渡りでは、海を越えることもあるそうです。海を渡るときは大きな群れになることもあり、その場合、この絵本が描くようにハヤブサに狙われることも少なくありません。ハヤブサにみつかると途中で戻って来てしまうこともあるそうで、そうした動きが何度か繰り返されることもあるようです。
 お馴染みのヒヨドリの意外な行動に驚いてしまいました。絵は版画で丁寧に描かれています。消しゴム判子も使われています。群れを描くときは判子を数個作ってポンポンと押していけば簡単と考えたそうですが、結局、大小さまざまなポーズで描きたくなり、ヒヨドリの灰色部分の判子だけでも100種類以上作られました。ヒヨドリがいきいきと描かれた背景には、絵本作家のそうした努力が隠されています。

きょうはたびびより(ちいさなかがくのとも2017年10月号)
とうごうなりさ さく

福音館書店
2017年10月1日発行
本体389円+税

【本の紹介】チョッキリ 草木を切って子育てをする虫(たくさんのふしぎ2024年5月号)

   この虫のことは、ほとんど知りませんでした。「チョッキリ」とは、体長1cmほどのちいさな甲虫です。長く伸びた口が特徴のゾウムシの仲間だそうで、同様に長い口を持っています。  名前の由来が愉快です。「ドングリに穴をあけて卵を産みこみ、最後にチョキっと枝を切り落とす」から「チョッ...