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絵本・児童書の専門書店です。小さいカフェもあります。

絵本と楽しいひとときを過ごしましょう。素敵な絵本をご紹介します。大切な人とご一緒に、あるいはお一人でも。あなたにぴったりの絵本が見つかりますように!

2018年1月31日水曜日

暮らしの手帖92号をお届けします!



 「暮らしの手帖92号」(暮しの手帖社)をお届けします。装釘家の和久井直子さんが切り絵の楽しみ方を教えてくれる記事があります。タイトルは「おって きって ひらいて びっくり」。びっくりするような切り絵ができるようです。
 まず必要なものは、15cm×15cmの折り紙と鉛筆、はさみの3つだけ。折り紙を2つに折って、もう一度折ったら、お手本と同じような絵を描きます。絵はお手本をなぞって描いても大丈夫です。絵の線に沿ってはさみで切って、そっと開いてみましょう。
 折り紙のをジャバラに折ったり、三角の八つ折りにしたり、折り方を変えて切ってみると、また別の切り絵ができあがるようです。紙を変えてもよいのです。B5サイズの大きい紙を使ったり、書き初め用紙や付箋を使うことも提案しています。
 記事では、やり方は丁寧に示されていますが、出来上がりは見せてくれません。実際にやってみないと、どんな切り絵ができるのかわからないのです。これはやってみるしかないですね。子どもたちと一緒に楽しみましょう。和久井さんの切り絵は、子どもたちの目を輝かせる素敵なマジックです。(店主)

2018年1月28日日曜日

【本の紹介】クマと森のピアノ



 こぐまのブラウンの成長の物語です。才能にあふれたブラウンは森を離れ、街に出て大成功を収めます。でも心のどこかにぽっかりと穴が空いていると感じたブラウン。穴を埋めてくれたのは、森で待っていてくれた大切な人たちでした。
 森で暮らすブラウンは、まだこぐまです。ある日、へんてこなものを見つけます。さわってみると「タン!」。これまで聞いたことのない音がします。「ヘンなの。なよなら…」といってその場を去ります。でもブラウンは「また来ちゃった」と毎日さわりに来るようになって、へんてこなものと仲良くなりました。
 へんてこなものを演奏するブラウンはすっかり大きくなりました。一人の女の子とおとうさんがやってきて、へんてこなものはピアノだと教えてくれました。女の子はブラウンに街へ行こうと誘います。いろいろな音楽を聴いてみたい、大勢の人たちの前でピアノを演奏したいと思ったブラウンは街へ向かいます。
 「ぼく、大スターになっちゃった」と話すブラウン。夢はぜんぶかなえられたと思いました。でも「何かが足りない」と気づきます。思い出すのは森の友だち、そして森のピアノのことでした。ブラウンは急いで森に帰ります。そこでブラウンを待ち受けていたのは何だったのでしょうか。森の中で木漏れ日が美しく輝きます。(店主)

クマと森のピアノ
作 デイビット・リッチフィールド
訳 俵万智

ポプラ社
本体1400円+税
2017年10月発行

2018年1月27日土曜日

【本の紹介】ビークル



 子どもたちには夢との出会いが待っています。いつか見つけることになる夢と一緒に、新しい世界に出発します。夢も、子どもたちとの出会いを楽しみに待っているのです。
 この絵本の主人公は一人の「ゆめのこども」です。遥か彼方にある「ゆめのしま」で生まれました。ゆめのしまには、ゆめのこどもがたくさん住んでいます。そして、本当の子どもに見つけられて名前を付けてもらうことを待っています。
 主人公のゆめのこどもも、待っていました。でも順番は来ません。本当の世界が楽しすぎるから、誰も夢の世界の自分に気がつかないのだ。そう考えた主人公は、待つことをやめて、夢の世界から本当の世界へ出発します。
 やがて主人公は、本当の世界で一人の子どもと出会います。名前はアリス。そして主人公はアリスに「ビークル」という名前を付けてもらいます。アリスとビークルは「ふたりでいれば しあわせ!」。本当と夢がとけあって、アリスとビークルは新しい世界へと出発します。作者は2015年、この作品で優れた絵本に与えられるコルデコット賞を受賞しています。(店主)

ビークル
ダン・サンタット 作
谷川俊太郎 訳

ほるぷ出版
本体1600円+税
2017年10月25日発行

2018年1月26日金曜日

【本の紹介】コーベッコー



 この絵本のお話は「ちきゅう」の「たつのおとしごじま」にある「コーベッコー」で起こりました。コーベッコーに朝が来て、「かざみどり」が「コーベッコー」と鳴き声を上げたところからお話が始まります。
 コーベッコーには港町があります。港町の観覧車に、不思議な宇宙望遠鏡を担いだ「クロメガネおじさん」たちが乗り込みました。望遠鏡で朝のお日さまを調べ始めると、お日さまのほっぺのあたりを「キンセイ」が通過しようとしています。くすぐったくなったお日さまは、キンセイをブルルンと跳ね飛ばします。キンセイはコーベッコーの「ロッコーざん」という山に落っこちてしまいました。落ちたところは湖です。キンセイの口から船に乗った「ヴィーナスカ」が躍り出てきてコーベッコーをめぐります。コーベッコーがどんなところか、ページをめくりながら一緒に見てみましょう。
 神戸在住の作者が港町神戸に捧げる絵本を描きました。作者のスズキコージさんは静岡県生まれで、神戸出身ではありません。地球の外からやってきたキンセイやヴィーナスカは作者自身かもしれません。
 この作者独特のインパクトの強い絵に度肝を抜かれます。その一方、ユーモラスな表現で親しみを感じさせ、また色使いのコントラストが見事で深みのある絵に仕上がっています。繰り返し読むことで新しい発見に気づく絵本になりそうです。(店主)

コーベッコー
スズキコージ

BL出版
本体1600円+税
2017年12月1日発行

2018年1月25日木曜日

【本の紹介】みんなで龍になる(たくさんのふしぎ2018年2月号)



 長崎には龍の模型が踊るお祭りがあり、ニュースなどでよく紹介されています。「くんち」と呼ばれるお祭りで、龍の踊りはその演し物です。「龍踊り」と書いて「じゃおどり」と読みます。
 この絵本は、修学旅行で長崎を訪れた小学生が龍踊りを体験するようすが描かれています。たった半日の短い時間ですが、龍踊りを教わり、その日のうちに長崎の町の人や観光客に観てもらいます。
 龍踊りは、玉を扱う「玉使い」が1人、龍を操る役割の人が10人、合計11人で行います。そのほか、音楽を奏でる楽隊が10数人います。龍踊りはチームワークが重要です。短い時間でできるようにするため、練習方法もよく工夫されているようです。
 龍踊りはもともと、中国で古代から伝わる雨乞いの儀式です。日照りに苦しむ農民の祈りから始まり、その後、祭りなどで行われるようになりました。長崎は江戸時代に中国など外国と交流があった町で、300年ほど前から龍踊りが演じられるようになったそうです。小学生たちは見物するだけでなく、実際に演じてみることで、その独特の文化を深く感じ、理解することができるようになります。練習方法を詳しく解説したこの絵本を読めば、きっと本物の龍踊りも見たくなるでしょう。(店主)

みんなで龍になる(たくさんのふしぎ2018年2月号)
河野謙 監修
太田大輔 文・絵

福音館書店
2018年2月1日発行
本体667円+税

2018年1月24日水曜日

営業を再開しました!




 くわのみ書房は1月24日(水)から営業を再開しました。11日(木)から23日(火)まで、定休日を含め、長期に渡り臨時休業しておりましたことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
 店主がインフルエンザのため体調不良となり、このような事態となりました。ご心配、ご迷惑をおかけし、重ねてお詫び申し上げる次第です。今後はさらにいっそう体調管理に注意したいと思います。これからも引き続き、くわのみ書房をご愛顧くださいますようお願い申し上げます。(店主)

2018年1月10日水曜日

【本の紹介】ふぶきがやんだら(ちいさなかがくのとも2018年2月号)



 北国の吹雪は、雪がほとんど降らないところに住む人の想像を絶するところがあるようです。この号の「おりこみふろく」を読んでそう思いました。
 作者のあかしのぶこさんは北海道に住んでいます。あかしさんが住むところでは、猛吹雪で人が亡くなる事故が起きてから、吹雪の前に道路は通行止になってしまうため2~3日分の食料を用意する必要があるそうです。不要な外出はきつく避けるようにいわれています。
 森に住む小鳥やリス、ウサギ、キツネ、タヌキなどの動物たちも、吹雪のときは、それが過ぎるまでじっとしているほかはありません。吹雪の前では、動物も人間も、同じ一匹の生き物なのです。
 どんな吹雪も長くて数日といいます。この絵本では、夜中に吹雪が止みました。きりっとしたふくろうの姿が美しい。フクロウが飛び立ち、シカたちも歩き出しました。おひさまが顔を出し、今日はてともよいお天気です。子どもが「みんな みんな、ふぶきが やむのを まっていたんだよ」と語ります。自然の中で生きる喜びを強く感じます。(店主)

ふぶきがやんだら(ちいさなかがくのとも2018年2月号)
あかしのぶこ さく

福音館書店
2018年2月1日発行

本体389円+税

2018年1月7日日曜日

【本の紹介】ゆうちゃんとひよどり(こどものとも年少版2018年2月号)



 作者のいまきみちさんは大雪が降ったある日、庭に来るひよどりに、りんごの皮をみじん切りにしてあげたそうです。この絵本はそのお話がもとになっています。
 冬は木の実が少なくなり、鳥たちはえさに困るようになります。庭に実のなる木があると鳥たちが餌を食べにやってきます。この絵本のように、くだものなどエサになるものを置いても鳥たちは集まります。
 わが家の庭にはキンカンの木があり、冬にはヒヨドリやメジロなどが熟した実を食べに来てくれます。みじん切りにしたりんごの皮をあげたこともあります。やはり鳥たちは喜んでやってきました。
 冬は、庭やベランダに鳥を呼び寄せるにはよいシーズンです。鳥たちを近い距離で眺めることができ、とても親しみがわきます。この絵本に出てくるゆうちゃんも、ひよどりと仲良くなれてとてもうれしそうです。(店主)

ゆうちゃんとひよどり(こどものとも年少版2018年2月号)
いまきみち さく

福音館書店
2018年2月1日発行
本体389円+税

2018年1月6日土曜日

【本の紹介】たぬきのどっきりはっぴょうかい(こどものとも年中向き2018年2月号)



 人を化かすといわれても、たぬきはどこかユーモラスで親しみのわく動物です。この絵本に登場するたぬきは「ばけかたがっこう」の先生と5匹のこだぬきの生徒たち。人間相手に化け方の技を競う「ばけかたはっぴょうかい」が始まりました。
 5匹のこだぬきたちはとても上手に化けることができるようです。でも、ときには残念な結果になることもあります。お地蔵さんに化けてお供えのお団子をもらったこだぬきがいれば、犬におしっこをかけられたこだぬきもいるといった具合です。
 お話はてきぱきと進み、飽きさせません。こだぬきたちの表情が豊かで、見ていて楽しくなります。でも、5匹はとてもよく似ています。それぞれどんな特徴があるのか探してみてください。
 とても丁寧につくられた絵本です。しっかり描かれた絵と練り込まれたお話で構成され、幅広い年齢層の子どもたちに安心してお勧めすることができそうです。(店主)

たぬきのどっきりはっぴょうかい(こどものとも年中向き2018年2月号)
大島英太郎 作

福音館書店
2018年2月1日発行
本体389円+税

2018年1月5日金曜日

【本の紹介】チョウのふゆごし(かがくのとも2018年2月号)



 春から夏、そして秋まで、公園ではチョウが飛び交います。でも、冬になるとその姿を見ることはほとんどありません。冬の間、チョウはどうしているのでしょう。
 チョウはいろいろな姿で冬を越すようです。この絵本の「作者のことば」によると、幼虫で冬を越す種類がもっとも多く、次いで蛹と卵がほぼ同じくらい。成虫のまま過ごすチョウは少数派です。
 今、まさに季節は冬。この絵本を手がかりに、公園に出かけてチョウを探してみましょう。外は冷たい風が吹いているかもしれませんが、どんな姿のチョウが発見できるか、とてもワクワクした気持ちになれます。
 扉のページを見て、まるで私たちの地元、習志野市の香澄公園のようだと思いました。身近にある自然の楽しみ方を教えてくれる絵本です。(店主)

チョウのふゆごし(かがくのとも2018年2月号)
井上大成 ぶん
松山円香 え

福音館書店
2018年2月1日発行
本体389円+税

2018年1月4日木曜日

【本の紹介】こやぎのチキとじいさんやぎのひみつ(こどものとも2018年2月号)



 こやぎのチキと不思議なおじいさんのやぎの物語です。おじいさんやぎは、いつも群れから離れて過ごしています。ほかのやぎからは魔術を使うと恐れられていますが、チキはおじいさんやぎがとても気になります。
 おじいさんやぎはときどきふっといなくなり、何日か過ぎると毛もつやつやして若返ったように帰ってきます。チキは「ほんとうだ。あのじいさんは まじゅつを つかったんだ」と思います。
 ある日、チキは草の上に倒れているおじいさんやぎを見つけます。チキが心配して近づくと、おじいさんやぎは何もいわずに立ち上がり、よろよろと歩き出しました。チキはあとを追いかけます。おじいさんやぎの魔術の秘密を解き明かす旅が始まります。
 メキシコの昔話に着想を得て書かれたお話です。昔話のほとんどが現実にはありえない物語であっても、どこか共感するところがあります。何故でしょう。作者は、昔話には人間が野生の動物や植物と境界線を持たずに生きていたころの記憶が隠されているからと語ります。(店主)

こやぎのチキとじいさんやぎのひみつ(こどものとも2018年2月号)
清水たま子 文
竹田鎭三郎 絵

福音館書店
2018年2月1日発行
本体389円+税

2018年1月3日水曜日

あけましておめでとうございます!




 あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。地域にみなさまに愛される店をめざします。(店主)

【本の紹介】さくのうえに(ちいさなかがくのとも2024年5月号)

 さわやかな風に誘われて、誰もがお出かけしたくなる季節です。そんな気分がいっそう盛り上がる絵本です。  子どもたちがお散歩で公園にやってくるところからお話が始まります。子どもたちは遊歩道の柵の上で何か動いているものを見つけます。シャクトリムシです。バッタもいました。  柵の上は虫...