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2018年2月7日水曜日

【本の紹介】あずきの あんちゃん ずんちゃん きんちゃん(こどものとも2018年3月号)




 3粒のあずきの兄弟の物語です。1番上があんちゃん、2番目がずんちゃん、末っ子がきんちゃんです。3兄弟がお手玉からこぼれ落ちたところから、お話が始まります。
 3兄弟にはそれぞれ希望がありました。あんちゃんは甘いあんこになること、ずんちゃんはずっしり重たいだいずになること、そしてきんちゃんは気楽に気ままに暮らすことです。でも、あんこになるには100万粒の仲間がいるといわれてあんちゃんはしょんぼり。ずんちゃんも、あずきとだいずは違うといわれてがっくり落ち込みます。「ねえさんも にいさんも きにしない きにしない」ときんちゃんが慰めていたそのとき、からすが飛んできて3粒を飲み込んでしまいます。3兄弟はどうなってしまうのでしょう。
 あずきの3兄弟はおもちゃのお手玉の中に入っていました。お手製のお手玉には、あずきが使われることが多かったのです。作者のとみながまいさんも、あずきの粒との出会いは、あんこではなくお手玉だったと「作者のことば」に書いています。そして、お手玉の中に閉じ込められているあずきたちをせつなく愛しく思ったそうです。
 この絵本は、あずきをせつなく思う作者の心から生まれました。作者はあずきたちに、あずきとして生まれてきた喜びを味わってほしいと願っています。そこには、子どもたちに向けるやさしい眼差しも感じます。(店主)

あずきの あんちゃん ずんちゃん きんちゃん(こどものとも2018年3月号)
とみながまい 文
植垣歩子 絵

福音館書店
2018年3月1日発行
本体389円+税

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